003

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 教会にたどりついたのは日が昇ってからだった。 「…………」  疑うような瞳で夜空は目の前の建物をにらみつける。 「どうしたんだ? 難しい顔をしているぞ」  車から降りてきたキャンベルが夜空に声を掛けるが、夜空はそれに曖昧な返事をする。 「いえ、別に」  そう返して、もう一度、目の前の建物、教会に眼を向ける。  教会と言っても形式的なものなのだろう。夜空には目の前の建物がどうしても教会に見えなかった。むしろ、ただの民家だ。 「これが……教会ですか? なんだか、イメージと違いますが……」  日本人の中学生にしては英語が達者な夜空は隣に立つキャンベルに対してそんなことを言った。 「我々の言う教会というのは、建物のことではないんだ。もちろん、本当の教会もないではないんだけれど、大体は幹部が居住しているところをそう呼んでいるんだ」 「安易な隠語ですか?」 「ちょっと違うけど、そんなところかな。まあ、外見はこんなだけれど、中には神父様がいて、教会として機能している。さあ、中に入ろう」  キャンベルに肩を押されながら、夜空は教会の中へと足を踏み入れる。 「中はちゃんと教会なんですね」  夜空の言うとおり、建物の内装はイメージ通りの教会だった。ただ、規模は小さいそれだったけれど、懺悔室や、祭壇、その上には十字架がしっかりと飾られている。 「表向きはちゃんとした教会だからな。毎週ミサも行っているそうだ。……私は知らないけれど」  二人がそんな話をしていると、奥から一人の男が現れた。年齢はキャンベルとそんなに違わないくらいだろう。聖職者の格好をしているのを見るに、おそらくこの男が神父様なのだろう。 「お疲れ様です、ミス・キャンベル。月影夫妻の
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