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「お前が夜空……月影夜空か」
いつのまにか後ろにいたキャンベルではない女性に夜空は抱きしめられたのだ。背中からの感触で、この女性が自分より背が高いことが伺える。
「…………」
急に抱きしめられ、身体が拘束された夜空は思わず身構える。
「ん? そんなに身構えるなよ。あたしはそこの二人よりは信用できるぜ」
ふふんと機嫌がよさそうに夜空を後ろから抱きしめながらそう言う女性。
「あたしは鑚崎。鑚崎涼だ。お前の両親とは昔からの知り合いだ。よろしくな」
「……月影……夜空です」
また両親の知り合いか、などと思いながらも一応自己紹介をする夜空。そんな夜空を見ながら鑚崎は満足げに微笑む。
「ふふん、知ってる。お前の考えていることもな。だから、あたしを信用するな。そこの大人もな。お前はお前だけを信用していればいい」
「え?」
言っている意味が分からず、思わず振り替える。夜空の後ろに立つ女性。長身で整った顔立ちをしている美女。モデルのような体系、肩口まである黒髪に、右に赤、左に青のメッシュを入れている。鑚崎涼は嗤う。
「お前はもうあたしのもんだ」
そう宣言して、鑚崎は夜空の唇を奪う。
「んん?」
突然の鑚崎の行動に、夜空もキャンベルの困惑する。
「な、何をしているの、涼。夜空君に何てことするの!」
「ふふん。羨ましいか? だが、残念だな。こいつはもうあたしのもんだ。お前には指一本触れさせやしない」
「べ、別に羨ましいとかじゃない。モラルのことを言っているんだ。夜空君はまだ中学生なんだぞ。涼、自分の年を考えろ。君は大人なんだぞ」
諭すように言うキャンベルだが、鑚崎はそれを
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