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「ご両親は、君のことを最後まで気に掛けていた。私を庇って……」 「あなたを庇って、両親は殺された」  夜空はキャンベルが口にするだろう、言葉を先に言った。その言葉に、キャンベルが罪悪感を感じてたことなど知りもせず。 「すまない。すべて、私の責任だ。君に何を言われようとも、仕方のないことだ」 「あ、あの、そういうつもりで言ったんじゃないんです。僕はあなたを責めるつもりはないですから」  なだめるように、夜空は言うが、キャンベルはただ「すまない」と言うだけだった。  今、夜空が望むものはキャンベルからの謝罪ではなく、両親がなくなった「詳細」だ。キャンベルはそのすべてを目撃している。 「あの、両親のことについて、詳しく教えてくれませんか?」 「それは……構わないが、君は大丈夫なのか? 君にとっては唯一の肉親なんだぞ。両親の死を詳しく知りたいだなんて」  この子の精神は一体どうなっているのか、キャンベルにはそれが不思議で仕方なった。自分の両親の死をなんとも思っていないのか、と。 「ただ、ここは危険だと思う。すぐに、荷物をまとめてくれ。ここを出て、安全な場所に行こう」 「どういうことですか?」 「私の後を奴らがつけていた可能性がある。君の身の安全が第一だ」  そういうキャンベルに、夜空は曖昧にうなずき、 「じゃあ、ちょっと待っててください」  と、荷物をまとめるために自室へと向かったのだった。 「……変わった子供だな」  夜空の倍は生きているキャンベルが抱いた夜空の印象はこうだった。それから、程なくして夜空が戻ってきた。 「着替えたのか?」 「えっと、はい、寝巻きだったので」 「そうか」
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