四、火焔

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 そうしている間に間合いを詰めていた歩兵二七人がロビンを取り囲む。  逃げ場はない。回避する隙も暇も。斬撃を受け止め、流す武器すらロビンは持ち合わせていない。  ぽたり、と。  不意に、頬の傷から滴った血がガントレットに落ちた。  銀に落ちた一滴の赤から燃え上がる様な温度が伝播。腕甲に付着したそれは発火して小さな火種となり、瞬時に灼熱──炎上。一気に拳を覆い尽くした。  戦乙女たちが振り上げる刃の煌めきが視界の隅に映ったがロビンはそれには一切目もくれず、地面に向かって力任せに拳を振り抜く。  次の瞬間、ドン、という衝撃音が周囲に響くと同時、叩き付けた拳を中心に焔が広がった。
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