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「ちょっと、来ないでよ!!」
「あ、そうだった、でも……」
今から助けに助けに行こうにも、屋上に行く方法が出てこない。
その瞬間、頭の中に再び声が聞こえてきた。
――あなたは戦い方を知っているはず。
その言葉を聞き、望は心を決めた。
「そのまま使えるかはわからないけど……っ!」
飛び上がるイメージを作り、脚に力を込めると同時に風が起き、望は飛び上がった。
「できた!!」
上手くいったことを噛みしめながら望は屋上へ向かった。
だが、下で鉄板がひしゃげる音とガラスが割れる音がしたものの、踏み台にした当の本人が気づくことはなかった。
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