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屋上では、さっきの戦闘員に加えて熊の着ぐるみのような怪人(なぜか両手に貝のようなもの着き)がつばめと対峙していた。
「うぅ……、完全に相手が悪すぎ」
「さぁ、おとなしく俺のモノになるがいい」
「冗談、あたしがバラエティ番組レベルのぬいぐるみなんかに負けるわけないでしょ!」
「ほう、これを見てもそういうか?」
そう言って目の前の怪人は戦闘員の一人に何か指示すると、指示された戦闘員は近くでブルーシートを押さえていたブロックを拾い上げた。
それを見て怪人は貝殻のような手(?)を広げる。その瞬間、ブロックに向けて何か波のようなものを放った。
それを受けたブロックはすぐに崩れてしまった。
「マジっ!?」
「本気を出せばこの程度では済まんぞ。次はお前の番だ」
「え、ええと……、凄い、鮮やか!っていうか、次期大統領?それどころか、国連の事務総長になれるかも」
いきなり見せられたパフォーマンスのせいで焦り出したつばめは、助かりたい一心に言っていることがおかしくなりかけていた。
だが、怪人はそんなことはお構い無しに両手を広げるとさっきの波みたいなものをつばめに放った。
「今更遅いっ!!」
「っ!?」
「ライトニング・ウォールっ!!」
避けられないとつばめが思い身を屈めた瞬間、波は目の前に現れた光の壁に遮られた。
振り返ると、壊れた柵があった場所に一人の少女が立っていた。
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