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「僕が相手だ!!」
「貴様、よくも俺の獲物を!」
つばめが振り向いた先の少女は持っていた杖をしまい、怪人に対して腰に差したショートソードを抜いて構えた。
しかし、つばめにはどうも目の前の人物についてどこかで見たような感覚を覚えた。
「望……?」
「大丈夫、絶対守るから」
少女は肯定も否定もしなかった。
だが、つばめにとってはそれだけで十分だった。目の前の人物が自分の知る人物であるということを納得するには。
「ええい、この程度俺の出る幕ではない。お前達、やっちゃってしまえ!」
怪人の掛け声に戦闘員達は意気揚々と望に向かっていった。
「ファイヤーボール!」
望が呪文を唱えると召喚された炎の弾が戦闘員達に向けて放たれた。
当たった奴が次々倒れていくが、生き残りがまだ攻めて来る。
それに対して望は構えたショートソードを振り回して戦闘員を倒していく。
それから2、3分後には戦闘員は望一人に全滅させられていた。
「なかなかやるな」
「あと一人!」
「だが、これで終わりだ」
「望っ!!」
「ライトニング・レイっ!」
怪人がさっきつばめに向けて放った波動を今度は望に向けて放った。
それに気づいた望は素早く次の呪文を詠唱してそれを迎撃した。
2つの攻撃がぶつかった瞬間、一瞬周りを光が覆った。
それが晴れると、倒れているのをこらえる怪人とさっきしまった杖を構えた望がいた。
その様子に安堵したつばめだったが、次に望がとった行動が一気につばめを慌てさせる。
「白き月、蒼き星の輝き………」
「や、ヤバい!?巻き込まれる!?」
身の危険を感じたつばめは昇降口に向かってまっしぐらに走り出した。
「その光によって、悪しき者を討つ」
それが放たれ炸裂したのは、つばめが昇降口の扉の陰に隠れた瞬間だった。
「ルナ・フラッシュっ!!」![image=466306929.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/466306929.jpg?width=800&format=jpg)
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