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「僕が……、相手だ……!」
「あら、今度は勇ましいお嬢さんね」
怪人の前に出た望は少々怯えながらも、剣を抜き構えた。
その様子に戦闘員達も身構えるが、その動きは怪人が制した。
「お前達は手を出すんじゃないよ、せっかくの遊び相手なんだから」
「あ、遊び相手って!?」
さすがにその発言は、望を憤慨させる。
「さっきの軟弱な連中よりはマシみたいね。さっきの連中はすぐにくたばって遊び足りないのよねぇ」
「く、面目ねえ……」
「そういう言い方、許さないっ!」
己の不甲斐なさを悔しがる走り屋のそばで望はすっかりキレてしまい、剣を振りかぶって突っ込んだ。
ところが、肝心の相手は望が繰り出す攻撃をいとも簡単に避けてみせる。
普段のゲームなら攻撃を仕掛ければ当たる、基本的にはそれが当たり前である。
しかし、ゲームでの常識が頭に残ったまま攻撃を続ける望は自分の仕掛けた攻撃が避けられていくたびに冷静な判断ができなくなっていった。
「な、何で……当たらない……!?」
「なかなかやるわね。でも決着は向こうでしましょ」
「ま……、待て……っ!」
わざと逆上させて仕掛けてきた攻撃を避けるという"遊び"に飽きた敵は、いきなり身を翻して砂浜のほうに移動をはじめた。
それを逃がすまいと望も追いかけていった。
「マジかよ、おい……」
その直後、戦闘員と倒れている走り屋しかいなくなった駐車場にはとある人物が現れていた。
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