Running Shot

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 「まさか不意討ちが売りのこのあたしが不意討ちをくらうとはね」  「悪いな、俺は不意討ち上等主義者なんでな」  突然の乱入者と敵怪人とのにらみ合いが始まるなか、さっきまでいた駐車場のほうから特攻服姿の男が乱入した青年の元に駆け込んできた。  「あら、まだ生きてたの」  「翔さん、アイツっす。俺達の愛車ぶっ壊したのは」  「だろうな、そういう面してやがるぜあのヘビ女」  「で、もう一方の魔法少女が俺達を助けてくれたっす」  「ったく、だらしねえぞ。ガキに助けられるなんてさぁ」  「面目ねえっす、喧嘩なら負けねえのに……」  「相手が悪かったんだ、しょうがねーじゃん」  会話の内容からすると、乱入してきた青年は走り屋達のまとめ役らしい。  革ジャンの青年は会話しつつジャケットを脱ぐと、脱いだジャケットを特攻服の走り屋に投げ渡し砂浜に飛び降りた。  「とにかく、さっさとぶちかましてくっかぁ」  「頼んます、どうか……"俺達"の仇を取ってくださいっ!!」  「……くたばってねぇだろ、ついでに松」  「へいっ!」  「俺がやり合ってる間にタバコ買ってこい。さっきの騒ぎで吸い損ねちまったからさ」  「わかりやした、アメスピっすよね」  「アメスピの黄緑、間違えるなよ」  「うぃっす!!」  松と呼ばれた走り屋は指示を受けて走り去っていった。  それを受けて、戦いに乱入した青年は敵のほうに向き直り、戦闘体勢をとった。  「さて、ああ言った手前弁償分は確保しないとな。……次原さんのZ2優先で」  「あらあら、お金の心配してるしてる場合かしら?」  「そういう場合なんだよね。お前は俺にノされるんだから……さっ!」  その台詞とともに放たれた回し蹴りの一撃は敵の頭を真横から直撃した。
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