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「ぐはっ!?」
「よっしゃ、マトモに入ったな」
青年の蹴りを頭部にくらった怪人はそのままの勢いで砂浜に倒れ込んだ。
青年は追い討ちの体勢を構え、怪人のほうに向かって行くが、その瞬間に青年と怪人との間を砂煙が覆い一瞬視界を遮られる。
砂煙が晴れると、さっきまで砂浜に倒れ込んでいた怪人の姿が消えていた。
「っ!また消えた!?」
「ったく、どっかの国民的特撮じゃないんだからさぁ……」
再びの事態に望は焦りだすが、一方の青年のほうはツッコミを呟けるほど落ち着いた態度を保っている。
それからしばらく時間が経つものの、景色に変化は何も起こらない。
青年も一人目を閉じ砂浜に立ち続けている。
それは砂浜に平穏が戻ったように思えた。
そんな景色はかえって望の焦りを増加させていった。
「あの……」
「……何だよ」
「突っ立ったままでいいんですか?」
「うるさい、黙ってろ」
望の質問はいともあっさり切り捨てられ、その反応に望は返す言葉がなくなってしまった。
再び時間が過ぎ、しびれを切らし始めた望は我慢の限界が近づいて来ていることに気がつかなくなっている。
「あの、やっぱり……」
「…………」
意を決して望は青年に声をかけたが返事が何もない。
その瞬間だった……
「こ、こうなったらっ!」
「よそ見しないっ!!」
「バカな!?」
望が攻撃を仕掛けようとした瞬間、敵が飛び出してきた。
しかし、別の影が間に入り込み望を突き飛ばす。同時に何かが破裂するような音が響いた。
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