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望が小屋に駆け寄ると、先程怪人を吹っ飛ばした青年は壊れた小屋で何かを探していた。
「あの……、何探してるんですか?」
「おっ、いたいた」
望の質問を無視して、青年が木材を掻き分けるとそこには女性が一人倒れていた。
「よし、まだ生きてるな」
「望っ!」
「翔さん!」
青年は女性の生存を確認していると、呼び声とともにつばめと走り屋連中がやってきた。
その後ろでは赤色灯がいくつも点滅しているから警察も集まって来たようだ。
「終わったみたいっすね」
「ああ、それにしてもまいったねぇ、こいつぁ」
「翔さんがウチらを仕切るようになってから警察の厄介者になったヤツがいないのが自慢だったんスけどね」
「へぇ、湘南烈風のメンバーなわけコイツ?」
「まあ最近入った新入りですけどね。あっそうだ、買ってきましたよアメスピ」
「おっ、サンキュー」
そう言って、青年はタバコと荷物を受けとると、望とつばめに声をかけた。
「ところで、そこのお二人さん」
「あ、はい!?」
「とりあえず、場所変えようか」
「あ、はい……」
「う~ん、どっかであの人見たような……」
突然の提案に望はうなずいた。
一方のつばめは青年に何か心当たりがあるようだ。
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