Running Shot

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 「嘘~、本物なの!?いつも見てます、『ガン=カタ・ポリス』!!あとそれから、『マジで危険な刑事』も!!」  目の前の青年から返された言葉に、つばめはさっきとは別の意味で興奮しだした。  そのあまりにも興奮しているつばめに翔は話題にされている本人とはいえ、苦笑するしかなくなっていた。  「おいおい、そんな興奮してっと話題の本人までドン引きだぜ?」  「『サヨナラが言えなくて』も買ったし、それから……」  「駄目だ、聞いてねーし……」  「一度語りだすと、止まらないんです。こうなると、僕ではもう止められないんです」  「……だろうな」  完全に自分の世界に入ってしまったつばめに対し、望と翔はため息しか出てこない。  そんなとき、先程の松と呼ばれていた走り屋が翔に近づいて話しかけてきた。  「翔さん、このあと√134で飲みに行きますけど、どうっすか?」  「悪ぃな、今日は先約入ってるんだゎ。また今度ゆっくりな」  「そうっすか、でもZ2のことは……」  「代わりに頼むわ、正直に『壊されました』って言えば怒らねーよ、多分」  そう言って、翔は立ち上がった。  そして、走り屋達に声をかけた。  「あー、一つ頼まれてほしいことがあるんだけど」  「なんすかぁ?」  「翔さんの頼みなら何でもいいっすよ」  走り屋達は口々に賛同の意を表した。
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