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その反応を受けて翔は話を続ける。
「しばらく、コイツらを見張っててほしいんだ。今日みたいに俺が居合わせるなんてことがない可能性もあるし、それに気になることがあるからさ」
「確かにあれは気になりますからね」
あれとはさっきの事件である。
「とにかく、なんかあったら俺のとこ最優先で連絡頼むわ」
「へ、へい……」
まさかの依頼に走り屋達のテンションは一気に下がってしまった。
そのまま翔は望のほうに向き直り、話を続ける。
「ところで次原君、おたくの知り合いにさ、教師やってる梶間って人いる?」
「は、はい。僕の担任ですけど」
「だったら、こいつを渡してほしいんだ」
そう言って翔は紙切れを一枚空のタバコの箱に入れて望に渡した。
「できるだけ早く渡してくれないか、ちょっと重要だから。それと中身見るなよ、それじゃ」
「お疲れ様っす」
そう言って、翔は帰っていった。
しかし、つばめは未だそれに気づかず語り続けていた。
「つばめちゃん、高中さん帰っちゃったよ……」
望のツッコミはまったくつばめに届いていない。
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