DAYBREAK

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 透き通るような青空を望は屋上から眺めていた。  呆然と眺めていると、その空を海鳥が通過していく。  そして、回数を数えることさえ忘れた溜め息がまた出てきた。  そうしていると、いつも思っていることが頭をもたげる。  ゲームでの誰にでも慕われ頼られる人気プレイヤーとしての自分と、現実での気が弱く無理な要求に対してノーと言えない自分と。  正直、疲れていた。  いくらゲームの世界で人気や名声を手に入れていたとしても、それは結局仮想のものであり、そこに登場している自分はその世界で演じている存在。  わかっていることだった、そちらが本来在りたい自分であっても、時間といった現実の状態に全て左右される。  はっきり言って、現実に帰りたくなかった。
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