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「痛たたた……、一体何が……!?」
目の前を覆っていた光が晴れると、さっきまでの景色とは違う光景が広がっていた。
どうやら、校舎の屋上から吹き飛ばされて地上まで来てしまったらしい。
それと同時に、望は自分の発した声に少し違和感を感じた。
さらに、周りの生徒達が驚いたような表情で望のことを見つつ、騒がしい様子を見せていた。
「やっぱ、ドラマの撮影だったのかなぁ」
「戦闘員の次は魔法少女降臨って、なんかできすぎてるしな」
「あの……、何がどうなって……?」
「その割には、あの娘結構困ってるぞ」
「じゃあ、やっぱ今までのはマジの緊急事態なのか?」
望には状況がさっぱり飲み込めない。
それどころか、なぜか自分に対して変な視線を向けるような奴まで現れだした。
何とか状況をつかもうと回りを見回すと、ふと校舎の窓ガラスに映る人物が目に入った。
詳しく見ようと、もう一度窓ガラスを向いたとき、信じられないものが望の目に飛び込んできた。
「……嘘、……でしょ」
ガラスに映っていたのは、たまたま停まっていた車の屋根に乗ったミニスカワンピースにオレンジのサイドポニーの少女だった。
望が慌てて身体のあちこちを触ると、ガラスの中の少女も同じ動きをする。
ただ、どこかで見たような気はするが、思い出せない。
その様子に、いくらなんでも様子がおかしいことに気づいた周りの人物達が再び騒がしくなる。
「まさか、今気づいたのか!?」
「じゃあ、あの娘の正体は何なんだ」
そう言われている間に、落ち着きを望は落ち着きを取り戻す。
落ち着いて考えてみると、ガラスに映る今の自分はいつもやっているRPGの自分のキャラそのものの姿であることに気づく。
そのとき、屋上からつばめの大声が降りてきた。
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