~帝国の姫君~

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僕は人をよけながら、鈴森さんの座るテーブルまで行く。 瞬 「ここいいかな?」 僕は、鈴森さんの座るテーブルの正面を手で触り、鈴森さんに尋ねる。 奈々 「えっ…五十鈴くん!?」 ボーっとしていた鈴森さんは、僕が話しかけた事に驚きの表情を浮かべ立ち上がる。 瞬 「そんなに驚かなくても。」 僕は「あはは」と軽く笑う。 瞬 「それで、いいかな?」 僕はもう一度テーブルを手で触り。 奈々 「あ…いいよ。」 鈴森さんは軽く頷き椅子に座る。 瞬 「じゃ、失礼しま~す。」 僕も椅子に座る。 奈々 「……。」 瞬 「………。」 しばらく続く沈黙。 今考えたら、鈴森さんとそんなにしゃべった事がないなぁ。 どうしよ? 何をしゃべっていいのかわからない。 と、とりあえず最初は当たり障りなく…。 瞬 「えっと、鈴森さんもヴァンガードファイトするんだね。」 やっぱり最初はこうだよね。 奈々 「う…ん。」 鈴森さんは悲しそうな表情を浮かべ小さく頷く。 ヤバい、なにか悪い事言ったかな? 焦る僕。 でも、ヴァンガードファイトするならすぐ仲良くなれるはずだ! 瞬 「えっと、ファイトしない?」 いきなり、ファイトを鈴森さんに申し込む。 奈々 「……。」 黙ったまま頷く鈴森さん。 客 「やめといた方が良いぜ?あんた。」 僕の後ろでファイトしている客が僕に話しかける。 瞬 「どういうことですか?」 僕は意味がわからずに客に訊く。 客 「そいつとファイトすれば、ボロボロにやられてファイターとしての心が折れ、ファイトをする事に恐怖するらしいぜ?」 客はそいつと言い鈴森さんを指差す。 瞬 「それは違うと思います。」
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