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瞬
「イニグマンのシリーズがやっぱり、必要だよなぁ。」
ポツリ、ポツリと一人で呟きながら学校に向かう。
コスモビークはいいとこ3積み?
ちょっとコストが重いかな?
うーん……。
デッキに何を入れようか考えていたら、突然何かにぶつかったような衝撃がはしった。
瞬
「いたっ!」
僕は衝撃を受けてその場に尻餅をつく。
南
「つっ!」
ぶつかってきた彼も尻餅をつく。
南
「す、すみませんっ!」
彼はすぐに立ち上がり、僕に向かってお詫びの言葉と共に頭を深くさげる。
瞬
「えっ、いやいや、僕のほうこそ前を見て歩いてなかったから、ごめんっ」
僕はそんな彼を見て慌てて立ち上がり謝る。
南
「その声、五十鈴くんだったんだ!」
彼は顔を上げ僕の方を見て、いまさら僕だった事に気づく。
彼の名前は南くん、僕と同じクラスの中身は男の子、見た目は女の子に近いかもしれない。
瞬
「え、今気づいたの?」
つい、ツッコム僕。
南
「うん。」
南くんは苦笑いを浮かべながら、頷く
墨田
「おーい南、まだジュース買って来てねぇのかよ?」
遠くから、南くんの名前を呼びながら、ゆっくりと近づいてくる。
南
「す、墨田くん、ごめんっ今買ってくるよ…。」
南くんは彼を墨田くんと呼び、びくびくしながら言った。
墨田
「わかったら、さっさと買ってこいよ。」
墨田くんはあごを使いさっさと行けと合図する。
南
「…。」
南くんは無言でジュースを買いに行こうとする。
完全に、イジメを目撃している。
ここは……。
瞬
「待って南くん、ここは墨田くんに自分で行ってもらったほうがいいんじゃないかな?」
正義のヒーローを目指すものとして、イジメを見過ごせない。
墨田
「あんだとテメェ!南は自分から行ってくるって言ってんだよ!」
墨田くんは大声を出して、僕に言った。
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