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「谷口統括部長、宜しければ船長室へ?
航海長、後は任せます」
「あい船長。指揮を引き継ぎます」
こりゃまた、渋いダンディなおっさんだな....。
知らない人が見たら、この人が船長にしか見えないだろ。
と、室内を見回すと。
あらら、ここはイケパラだ、絶対船長の好みで揃えたな。
船長公室に入ると、まだ新造船らしい独特のペンキの匂いに香水が混ざった匂いがした。
「私、この匂いが苦手で....
「鈴木船長、お互い堅苦しくするのは止めませんか?」
「珈琲飲みます?」
ス、スルーしたな!
少し、ムッとして「頂きます。ブラックで」
「うふ、そのブラックと言うのは不満の表れかしら?」
この船長、案外狸だな....。
「谷口さんの武勇伝は、亜美っちから聞いてるわ、私も海ちゃんて呼んでいいかしら?
私は、あづきがいいです」
呼び捨てなんか出来るか!俺は誤解で解剖標本になんざされたくない。
「あづきさん....。
「ダメ、せめてちゃんよ」
面倒臭せ~、亜美さんより質悪い。
「私の信条は、絆は呼び方から創られるなんです。
だから儀礼的な時以外、船内はフランクにお願いします」
マジ、面倒臭せ~!
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