カウントダウン

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「ちっ、煩いわね。 ちょっと、エンジンの調子見ただけじゃん。 「あ~、りょ~か~い。 速度、いづもに併せて減速しま~す」 てか、何をそんなに積み込んだら喫水が下がるのかしら? ドン亀のくせに、欲張って詰め込んだでしょ」 いやはや、恐れを知らないお方だ。 「文句は、マイクをオフにしてから垂れろ。 いづもにだだ漏れだぞ」 と、あづきちゃん、マイクを確認して小首を傾げた後、キッと原さんを睨んだ。 「原さん!やってくれたわね!」 と、はやての操舵室に充満した笑気ガスが爆発した様に、一気に全員が腹を抱えて笑いだした。 「原君、すまんな。 跳ねっ返りだが、面倒よろしく頼む」 と、スピーカーから、いづも艦長の声が流れ、あづきちゃんの顔が見る間に真っ赤になった。 「はい、お任せ下さい。 鈴木二佐」 「あづ、と言う事だから、原君の邪魔しちゃダメだぞ。 後ろにドン亀付いてる事も忘れるなよ」 あ~、成る程。 こりゃ、いづもを揶揄った仕返しに一本取られたな。 にしても、鈴木二佐って? まさか親子? と、原さんが”兄弟ですよ”と、可笑しそうに耳打ちしてくれる。 そして、また、コソっとハンズフリーをオンにした。
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