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ブツブツ呟いてたあづきちゃんが、両手を拳にしてフルフルしながら、
「クッソ兄貴が!ちょっと歳上だと思って馬鹿にして!
だから、海自には入らなかったのに、何で兄貴と船団になっちゃうのよ!
しかも、ヘラヘラ周りにバラしやがって。
てか、誰よ。はやての無線にハンズフリーなんて機能付けたのは」
半ばヤケクソぎみにボヤいた。
こうなると、俺も腹が痛くなって来る。
「あづ?」
ん?これは亜美さんの声かな?
「あんたのボヤキ、全部筒抜けよ。
しかも、医療スタッフのサロンにまで中継されて、マキちゃんツノだして憤死寸前まで怒り心頭よ」
「ゲッ!お姉が...。
...ヤバイ、ヤバイ」
「航海長!
船団、足並をいづもに併せて単縦陣を維持。
暫く指揮を任せます。
船長室に行きますので、宜しく」
言うが早いか、航海長の答礼も上の空で、あづきちゃんは操舵室を飛び出して行った。
俺は、何が何やら解らず、でも流石に無線で亜美さんに事情を聞くと言う訳にも行かず、目で、事の元凶を作った原さんに説明を求めた。
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