プロローグ

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ここ数ヶ月続いた各地の震動が漸く落ち着き、この地震研究所でも缶詰から解放された職員は、宿直者を残して皆帰宅していた。 「今夜はいい夜ですね。 とっても静だ。 鯰もグッスリお休みだよ」 「おい、起こすなよ。 やっと皆帰れたんだ、また呼び出しなんか掛けたら、明日の朝に俺達縛り首にされるぞ」 「....皆が朝日を拝めたらね....。 な~んかヤバいぞぉ。 おいおい、嘘だろ....。 クソッ!! 非常呼招だ、急げ」 今まで、ゆっくりと波を打って居た地震計の針が、突然細かく震動し始めると、瞬く間に大きくブレ始め、体に感じる震動に為ると、針も激しく震動を刻み始めた。
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