プロローグ

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ものの30分と経たない内に続々と職員が集まり、喧騒と混沌が部屋に満ち溢れる。 「震源何処だって?」 「震源の深さは?」 「マグニチュード幾つだって?」 「NIEDからは何も来て無いか?」 「Hi-net生きてますよ!」 「誰か!...纏めて答えろ!」 「震源地...東京都23区?! 北緯35.7度、東経139.9度で震源の深さは約50km! 地震の規模は推定6.6です!」 「東京湾のプレートは?」 「異常震動だ...。 不味いぞ。 官邸に警報の進言を促せ」 「関係機関へ、急げ!」 「平泉教授...まだ掴まりません」 「中澤准教授から、夫婦で今向かってると連絡有りました!」 「千代田区、震度5+です」 ある研究員はこの時を振り返り、カオスの始まりは多分研究所だったんじゃないか。 と、回顧した。 どの研究所も予測し得なかった。 突然の始まり...。 幸いだったのは、研究所としての体面は保てたと言う事。 まぁ、人々に取っては、まったく意味の無い幸いだったが。
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