親友(トモ)へ

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 私もその一人かもしれない。  しかし、多くの死者を出した先の戦争で私は、生かされた。  いつまでも下を向いては、いけない。生かされた事に感謝し先に逝ってしまった戦友達の分まで生きなくてはならない。  そう、目の前の墓標の下に眠る親友の分まで。 「そうだろう親友(トモ)よ」  墓標に背をむけ、背後に広がる風景を眺める。  青い空、綿菓子のような雲、太陽の光を反射させまるで宝石のように輝く青い海。あの日、親友と見た光景と全く同じ。  違うのは、私の隣にお前がいない事とここがあの戦艦の甲板ではないということだけだ。 .
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