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出来ればもう会いたくないです。胃のために。
なーんて言えず、俺は兄貴の手を掴んで身を翻した。
その瞬間、身体が後ろに大きく傾いた。…否、引っ張られた。
ドサッ…乱暴に倒れかかった俺を抱きしめたのは、まさかの…――。
リツ「まさ…むねさん…?」
マサムネ「………っ」
顔を歪めた政宗さん、その人だった。
マサムネ「…来い」
リツ「は?ちょっ…!?」
兄貴と繋いだ手を叩かれ、無理やり腕を引っ張られる俺は、ポカンとしている東雲と兄貴を振り返っては抵抗する。
周囲の目が怖いんですけど…っ
リツ「政宗さんちょっ、なにするんですか…!」
マサムネ「、敬語は辞めろ」
リツ「っ!!?」
低い、獣が唸るような声に身体が震える。
…顔が見たいのに、コチラに一切顔を向けない政宗さん。
その大きな背中や掴む手が懐かしくて、俺はただただ俯いた。
――なんだか怖ェよ…政宗さん。
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