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無理やり腕を引かれ、連れられた場所はなんと男子トイレだった。
デパートのトイレったら必ず一人はいるはずなのに、こんなときに限って無人とかどういう…。
男子トイレに入った途端、解放された腕。
政宗さんの力が強かったせいか、ちょっと赤くなっていた。わぁお。
リツ「…いきなりこんなとこ連れてきて、何のご用?」
俺に背を向け黙ったまま、一向に此方を振り向かない政宗さんに眉をひそめてならばと、こちらから尋ねた。
兄貴ほったらかしにしたらどうなるか、考えただけでも恐ろしい。
マサムネ「……お前とアレの関係は?」
リツ「………、は?」
マサムネ「…お前の連れだ」
政宗さんの質問の意味を理解するまでの時間が、少しだけ掛かった。
理解した瞬間、むくりと湧いた疑問。
何で俺の連れを政宗さんが気にするんだ?
リツ「俺の兄貴だけど…っか、政宗さん何でそんなに不機嫌なんだ。しかも俺の連れなんて政宗さんには関係ないだろ」
マサムネ「……。」
ちょっと言葉が冷たくなってしまったが、政宗さんとはもう赤の他人も同然。
冷たくなるのは仕方ないと割り切って頭を掻くと、やっと振り返った政宗さん。
その表情を見て、俺は凍りつく。
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