政宗×律

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戻ってみると、何やら楽しそうに会話する2人を見て首を傾げた。 …珍しい、人見知りの兄貴が初対面の人と仲良くしてるなんて。 何ともフレンドリーな空間に行きづらさを感じたが、腹をくくって突撃した。 リツ「待たせてごめん!」 タカト「いえ!…あれ、政宗さんはどちらに?」 リツ「…あの人ならトイレに居るよ」 タカト「?そうですか」 政宗さんを探してキョロキョロする無知な東雲に、罪悪感が湧く。 言えない、政宗さんにキスされたなんて。 もう…本当に何もかもがごめんだ。 リツ「…兄貴、俺この後すぐに用事が出来たんだけど、一人で帰れる?」 ジロウ「…なら…俺も帰る」 リツ「ん、じゃあ帰ろっか。東雲じゃあな」 タカト「あ、はい!」 ブンブンと手を振る東雲に手を振り返して兄貴と2人、来た道を戻る。 ―…もう二度と、こんな不毛な恋なんてしない。 決意はスルリと胸に落ち、不思議と心が軽くなった…気がした。
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