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2100・12・23・雪
テーブルに向かい合って座る合わせ鏡のような少女達。見分けがつかないほどそっくりな二人。長い灰色の髪を横でまとめたサイドテールに黒灰色の瞳。雪のように白い肌。まとめる位置が逆で本当に鏡のような二人。
「ねえ、マリアは何頼むの?」
「秘密。ユーリは?」
「秘密」
お互い見せないよう手紙を書く姿も鏡合わせ。
「「書けた! あっ」」
同時に書きあがったことに無邪気に笑う。母親がその手紙を受け取りにくる。
「二人は何頼んだのかしら……あら、ふふ」
母親は二人の手紙を見て笑う。
「あなた達これじゃあ何ももらえないわよ?」
そういって見せた手紙が頼んだもの。
「ユーリと同じ物」
「マリアと同じ物」
それを見て二人も笑う。それが彼女達の日常。幸せそうにしていた。こうして居られれば十分というように。
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