72人が本棚に入れています
本棚に追加
「ん?」
一瞬にして空まで上がっていった青い矢は、まるで雨を降らすかのように数十もの矢に姿に変え、的確に髪の毛野郎達に命中した。
青い矢に貫かれた髪の毛野郎達は力尽きたように地面に倒れていき、身体から白い煙を上げ、ゆっくりと消えていった。
『フン! 役立たず共が』
「ふぁっ」
俺が髪の毛野郎に目を奪われている途中、俺の背後から突然声が聞こえ、俺は又もや情けない声と共に振り返った。
するとそこには大きな鎌を持った一般人が佇んでおり、俺に視線を当ててきていた。
って、そいそいそい!
何で一般人が鎌を持ってんだよ!? その時点で一般人じゃねだろ! つか、かなり怖ぇーし!
サラリーマンの格好で鎌を右手に握る人物は、刃の部分を俺に向けながら振り上げた。
え? 何これ? もしかして俺……狙われてる?
……このまま殺されちゃう?
それを理解した俺の脳裏に、一瞬だけ走馬灯のようなモノが──
「伏せてって言ったでしょ、バカ!」
走る事は無く、戦っていた女子にバカ呼ばわりされた。
その女子は言われた通りに身体を動かせずにいた俺の真横から幾つもの青い矢を放ち、サラリーマンがそれを後ろに下がりながら払い落としていく。
俺は青い矢が通り過ぎた時に少しビビってしまい、腰を地面に着けたのだった。
「アンタが柱将(ちゅうしょう)ね! 覚悟なさい!」
え……何? チャーシューだって?
最初のコメントを投稿しよう!