第一章 ソロモン72柱

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『くっ! やるな!』 「ちっ!」 弓を使う女子は延々と矢を放ち続け、対するサラリーマンはそれを払い落とすばかり。 逆にサラリーマンが攻めに移ろうと試みているように見えるが、弓使いの女子がそれを許さず邪魔をせんばかりに矢を射続ける。 いつまで続くのか? そう疑問に思った時だった。 周りから卵の殻にヒビが入ったような音が聞こえ、女子とサラリーマンが同時に動きを止めたのだった。 あれ? もう戦わねぇのか? 突然静止した為に不思議がっていると、女子が持っていた弓は水の様に形状を変化させ、人差し指に嵌まっている青い指輪の中に入っていった。 「おぉ……」 自然と俺の口からは感嘆の声が漏れていた。 「……まぁいいわ」 『……ふん』 女子が指輪の中に弓を戻した後、サラリーマンも女子に背中を向け、何処かに歩いていく。 そして辺りにガラスが割れた様な音が響き渡った。
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