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『くっ! やるな!』
「ちっ!」
弓を使う女子は延々と矢を放ち続け、対するサラリーマンはそれを払い落とすばかり。
逆にサラリーマンが攻めに移ろうと試みているように見えるが、弓使いの女子がそれを許さず邪魔をせんばかりに矢を射続ける。
いつまで続くのか?
そう疑問に思った時だった。
周りから卵の殻にヒビが入ったような音が聞こえ、女子とサラリーマンが同時に動きを止めたのだった。
あれ? もう戦わねぇのか?
突然静止した為に不思議がっていると、女子が持っていた弓は水の様に形状を変化させ、人差し指に嵌まっている青い指輪の中に入っていった。
「おぉ……」
自然と俺の口からは感嘆の声が漏れていた。
「……まぁいいわ」
『……ふん』
女子が指輪の中に弓を戻した後、サラリーマンも女子に背中を向け、何処かに歩いていく。
そして辺りにガラスが割れた様な音が響き渡った。
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