教師

4/23
4124人が本棚に入れています
本棚に追加
/180ページ
能天気な十夜らしい。 私は半ば呆れ口調で十夜を指差した。 「忘れてたじゃないよ。初めてのイベントなんだし、もう少し真剣に取り組んでよね?」 「まぁまぁ、そんなに怒んなってば。俺、そういうの決めるの早いんだ。だから、問題無しだ!」 「あっそ」 何だか悩んでいるのが馬鹿らしい。 私はあえて素っ気なく返事をした。 「陽菜ぁ、怒ったの? その返事冷たすぎじゃね?」 十夜はお得意の上目遣いを披露する。瞳を潤ませ許しをこうという、実にずるい手口。 まぁ、私はそんな顔したって騙されないけどね。 「もうすぐホームルームなんだから、席に戻ってよし!」 「そんな言い方って……しどい!!」 「うっさいわ、ばか! いいから、早く戻んなさいっての!」
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!