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能天気な十夜らしい。
私は半ば呆れ口調で十夜を指差した。
「忘れてたじゃないよ。初めてのイベントなんだし、もう少し真剣に取り組んでよね?」
「まぁまぁ、そんなに怒んなってば。俺、そういうの決めるの早いんだ。だから、問題無しだ!」
「あっそ」
何だか悩んでいるのが馬鹿らしい。
私はあえて素っ気なく返事をした。
「陽菜ぁ、怒ったの? その返事冷たすぎじゃね?」
十夜はお得意の上目遣いを披露する。瞳を潤ませ許しをこうという、実にずるい手口。
まぁ、私はそんな顔したって騙されないけどね。
「もうすぐホームルームなんだから、席に戻ってよし!」
「そんな言い方って……しどい!!」
「うっさいわ、ばか! いいから、早く戻んなさいっての!」
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