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義高はにこやかにそう告げると、先生は起立し、話し始めた。
「皆さん、自己紹介を有難うございました。いずれ、私のライバルとなる方々の顔とお名前を、しっかりと覚えさせて頂きます。今日は色々とお世話になると思いますが、その分、私もお力になれるように頑張りたいと思っています。どうぞ、宜しくお願いします」
先生が改めて一礼すると、皆からは拍手が沸き起こった。
突然の事で困惑していた部員達の表情も緩み、どこかそわそわしているようにも見える。
萌はまた違った意味で落ち着かない様子だった。
「有難うございました。では、時間も限られているのでそろそろイベントについて、話しを進めていきます」
義高の言葉で教室内が静まると、私は先生を見る。
教師で作家。
そして、美しい容姿。
それだけで、十分すぎる程に魅力的な生田先生。
私はすっかり心惹かれていた。
それは恋心とはまた違っていて、尊敬に近かった。
どんな人なんだろう?
まだ、出会って間もない先生に、既に私は憧れを抱き始めていた。
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