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後日、外はまだ静かに雨が降っていた。今年の花火は、上手にあがってくれるだろうか。今年の花火こそ、駿が納得できる花火が夜空高く舞うことを祈っていた。
しかし、もう彼はいない。ひとりでお湯を沸かし、孤独な机の上、たった一杯のコーヒーと一枚のトーストが乗っているだけだ。向かいに、動くことのない椅子が佇んでいる。彼の椅子だ。その椅子が動くことも、その椅子に座り彼が笑顔を見せてくれることも、もう無いのだろう。
悲しみながも、私がコーヒーを一口飲むと、ふいにインターホンが鳴った。
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