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?「霧雨蒼雅…探しましたよ」
と息を切らせながら此方を睨み付ける少女。おっかない。
八雲「蒼雅…その女誰よ?」
此方も私を睨み付けてきた!何故!?Why!?
蒼雅「ちょ…八雲!そんな世紀末覇者みたいな形相で睨まないでよ!わ、私、この子が誰か分からないし!」
と弁明する!信じてくれ!
八雲「…ほんと?」
と上目遣いで聞いてきた。
蒼雅「本当だよ。だから安心して」
っと言って頭を撫でようとしたら
八雲「なんて、私がこんな子猫みたいな反応すると思っ痛い!」
最後まで言い切る前に撫でようとした手でシバいた。
蒼雅「すまない、手が滑ってしまった」
八雲「今のは完全に故意だ!」
ふざけるなーとか抜かして怒る八雲を放っておいて、目先にいる少女に問う。
蒼雅「えぇっと…どっかで会ったかな?」
?「むぅ…まぁ三年も経てば忘れるよね…」
と少女は項垂れた。
蒼雅「三年前なら私は初等の六年生よね?…う~ん」
と悩む。誰だ?
?「ほら、この髪の色見て。これでも思い出せない?」
と綺麗に伸びた紅の髪を靡かせる少女。
紅の髪…う~ん…
あ!
蒼雅「思い出した!…貴女、もしかして紅月(こうづき)?」
私は彼女の名を思い出すと同時に、幼き日々の思い出を思い出す。
~回想~
それはとある休日の朝の事。
蒼雅「ようし!今日も絶好の朝トレ日和だ!」
私はトレーニングに励んでいた。
蒼雅「まずはランニングだな!」
河川敷の高架下で軽くストレッチをして、私はランニングを始めた。
蒼雅「しかし、一人でランニングってなんかいまいち面白味に欠けるよな~」
しばらくランニングを続けていた私は、そんな事をボヤいていた。
次の高架下に差し掛かろうとしたその時
?「うぅ…ひっく…ふぇぇ」
蒼雅「?」
不意に少女の嗚咽が聞こえてきた。
そしてその嗚咽は高架下に近付くにつれ大きくなってくる。
私は気になってその嗚咽の元を探した。
すぐに見付かった。何せ彼女は美しい深紅の髪を持っていたからだ。
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