終わりの始まり

12/99
前へ
/99ページ
次へ
?「霧雨蒼雅…探しましたよ」 と息を切らせながら此方を睨み付ける少女。おっかない。 八雲「蒼雅…その女誰よ?」 此方も私を睨み付けてきた!何故!?Why!? 蒼雅「ちょ…八雲!そんな世紀末覇者みたいな形相で睨まないでよ!わ、私、この子が誰か分からないし!」 と弁明する!信じてくれ! 八雲「…ほんと?」 と上目遣いで聞いてきた。 蒼雅「本当だよ。だから安心して」 っと言って頭を撫でようとしたら 八雲「なんて、私がこんな子猫みたいな反応すると思っ痛い!」 最後まで言い切る前に撫でようとした手でシバいた。 蒼雅「すまない、手が滑ってしまった」 八雲「今のは完全に故意だ!」 ふざけるなーとか抜かして怒る八雲を放っておいて、目先にいる少女に問う。 蒼雅「えぇっと…どっかで会ったかな?」 ?「むぅ…まぁ三年も経てば忘れるよね…」 と少女は項垂れた。 蒼雅「三年前なら私は初等の六年生よね?…う~ん」 と悩む。誰だ? ?「ほら、この髪の色見て。これでも思い出せない?」 と綺麗に伸びた紅の髪を靡かせる少女。 紅の髪…う~ん… あ! 蒼雅「思い出した!…貴女、もしかして紅月(こうづき)?」 私は彼女の名を思い出すと同時に、幼き日々の思い出を思い出す。 ~回想~ それはとある休日の朝の事。 蒼雅「ようし!今日も絶好の朝トレ日和だ!」 私はトレーニングに励んでいた。 蒼雅「まずはランニングだな!」 河川敷の高架下で軽くストレッチをして、私はランニングを始めた。 蒼雅「しかし、一人でランニングってなんかいまいち面白味に欠けるよな~」 しばらくランニングを続けていた私は、そんな事をボヤいていた。 次の高架下に差し掛かろうとしたその時 ?「うぅ…ひっく…ふぇぇ」 蒼雅「?」 不意に少女の嗚咽が聞こえてきた。 そしてその嗚咽は高架下に近付くにつれ大きくなってくる。 私は気になってその嗚咽の元を探した。 すぐに見付かった。何せ彼女は美しい深紅の髪を持っていたからだ。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加