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南沢「ユウくん、遊びに来たよ」
灰「…」
いけない。京介が出て行った時に鍵とチェーン開けっぱなしだった。
両方閉める。
ガチャ
南「ちょっとー!?なんで閉めるんだよユウくん!」
灰「…」
紙に文字を書いて、チェーンだけ閉めたままドアの向こうの相手━━南沢篤志に見せた。
『消火器なら間に合ってます。』
南「いやいやいやいや!俺だよ!アッくんだよアッくん!」
『冗談』
扉を開けて篤志を中に入れた。
南「あーびっくりした」
『用件』
南「いや、松風から剣城が阿呆共のバカに付き合わされてるって聞いてさ。ユウくん寂しいかなーと思って」
『暇』
南「だろうな」
『京介
昨日暴走族をコテンパンに
したばっか』
南「あいつもお人好しだな。…って、昨日のアレやったの剣城か。流石だな」
灰「…」
『ずっと思ってたこと
聞いていい?』
南「いいよ」
『なんでアツシは
ライトリングの番号を
京介に譲ったの?』
灰「…」
南「ふふ。あいつはまだ2って名乗ってるのか?」
俺はうなずいた。
急に自嘲的な表情。
南「あいつらライトニングゲートは固い絆で結ばれている。生まれつきライトニングの奴や他人から番号を譲り受ける奴、様々で、剣城も松風も会ったことがないライトニングだっているが、どこかで繋がっているのを感じている。
だが俺は、それをビビったんだ。俺はある程度の自我が育ってからライトニングの番号を拾った。だから見知らない人間と繋がっている感覚が気味悪くて、だから番号を捨てた。直後に剣城が10番を付けられたのは、たまたまだ。
俺の意思で譲ったわけじゃない」
神だか運命だかに選ばれた子供たち。それがライトニングゲート。俺が知ってるのは京介と天馬と、『元』だけど篤志。
篤志は片手で前髪をかき上げた。
仕草がいちいち癪に障る男だが、俺の大事な友達だ。
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