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案の定、結果は惨憺たるものだった。
酒を抜いて臨んだ鷹見だったが、ストレートは走っていたものの、ストライクが入らない。
韓国や台湾球界への移籍まで視野に入りかけていたが、結局今のチームに拾われた。
理由は簡単、鷹見がサウスポーだからだ。
日本球界に根強い左腕信仰。
勝利を優先するためか、右の好打者は早いうちから――それこそリトルリーグのころから――左打ちに転向させられることが多い。
結果プロでも右投げ左打ちの、作られた左打者があふれ、対抗策として比較的打ちにくいとされる左投げの投手が重宝がられることとなる。
実際のところフォームや持ち球によって相性は変化する。
右を得意とする左投手、左の方をカモとする左打者など珍しくもない。
左には左。
実情を半ば無視した、信仰じみた球界の常識は、しかし鷹見にとっては救いとなったのだ。
今年36歳になる、素行不良で知られたロートル。
故障歴もある。
それでも現役でいられるのは、左が極端に少ないチーム事情があってのことだ。
しかし、その立場ももはや安泰とは言えなかった。
このシーズンここまでの鷹見の成績は、27試合に登板して0勝2敗、防御率4.26。
際立って悪くはないが、良いとはとても言えない。
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