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次のサインは二度目で決まった。 外角へのチェンジアップ。 これも見送られ、カウントは0―2になった。 相手の狙いは判っている。 内角寄りのボールを待っているのだ。 少し甘く入れば長打もある。追い込まれるまでは外は捨ててくるだろう。 だからといって、外にばかり放るわけにもいかない。 配球が単調になれば、結局いつかは仕留められてしまう。 打ち取るならどこかで内角を使わざるを得ないのだ。 一塁は空いている。 勝負を避けて歩かせる手もあるが、それでは右打ちの七番打者を迎えたところで鷹見は替えられてしまう。 何としてもこいつを打ち取らねばならなかった。 振れよ馬鹿野郎。 理不尽な怒りに、鷹見は囚われていた。 そっちは勝ってるんだ、そんなに必死にならなくたっていいだろう? 間合いが長くなった。 六番は一旦打席を外した。 集中力を高めるべく二、三度素振りする。
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