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突然、視界に赤い水が吹き上げられた。
「………えっ?」
出来事が多すぎて半ば放心状態になった俺が理解するのに時間はかからなかった。
「うわぁぁぁぁ!」
言い様のない恐怖とマネキンに斬られた傷の激痛に声を抑えることはできなかった。
数秒前、俺はあの黒いマネキンに斬られたことをこの激痛で理解した。
「なんなんだよ!どういう事なんだよ!誰でもいいから教えてくれよ!」
そんな言葉にマネキンが答えるかのように、黒い剣を振りかざしてきた。
「君にも資格はなかったようだな、そのまま楽になれ」
低く妙に威厳のある声はそう言った。
楽になれ?どういう意味だ?
俺…死ぬのか?
死ぬ?なんで?どうして?
嫌だ、死ぬのは嫌だ!
死にたくない!死にたくない!
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