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短長二本の剣をそれぞれ左右の手で持ち、マネキンに向かって走りだした。
左の短剣でマネキンをいなしながら、右の長剣で一太刀浴びせた。
「はあぁぁぁ!」
振り向く時の勢いを利用して、もう一太刀、マネキンに浴びせた。
「…………」
真っ二つになったマネキンは音をたてて崩れた。
「ハァッハァッハァッ」
肩で息をしながら頭を冷やした俺は、今の状況を整理しながら呟いた。
「………どういうことだ?!」
まったくもってどういうことだ?
ありえない、俺がこんなところにいるはずがない、なぜなら俺は
「その通り、君はすでに死んでいる」
「!?」
突然の声にビクついた俺のことをスルーして、あの低い声は続けた。
「やはり死の間際で記憶を取り戻していたか…しかし、あの状態でよく思い出せたものだ」
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