第1章

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「えっと…新しく転入してきました、 花立花音(はなたてかのん)です。」 ざわざわ… そう私はここ、“桜ヶ丘中学校”に転入してきた、花立花音だ。親の都合でこっちに引っ越してきた。新しい学校、新しい生活に胸を弾ませている。 「はい、じゃあ花立さんに質問など、聞いてみたいことはあるか~!?」 今のは、担任の大沢誠(おおさわまこと)英語の教科担任だ。見た目は、どこにもいそうな普通のおじさんだけど…授業になると急に、張り切って、なにかとうるさくなる。 「はーい!質問~!」 おっと、意外…質問なんて、誰もしないと思ったから、ちょっと緊張してきた。 「じゃ翼!(つばさ)」 今のは翼って言うのか、なんかへらへら笑ってて、正直ちょっと引く…。 「好きな人いるんですか!?」 えっ、いきなりそんな質問!?こいつバカだ。普通はそんなことみんなの前で聞かないだろう。しかも先生いるのに…。まぁ~一応答えなきゃ、皆早く答えろよ!みたいな感じで私を見てる…。 「えっと、まぁ付き合ってるひとはいます」 「ぇ~!マジかよ~!」「なんだよー!彼氏いんのかよ」 と、色々な声が聞こえる。ちょっと女子の目が怖いような…。気のせいかな!?まぁいいや 「じゃ遠距離恋愛ですか!?」 また、翼かよ…。 「まぁそう言う事になりますね。」 適当に答える。 「他には、もういいか!?」と、先生。 もういいだろ、疲れた、早く席にいきたいんだけど…と、心のなかで、ぐちってる。 「はーい!」 次はなんだよ。 「じゃ、最後、拓海ー!次の授業始まるからこれで、質問終わりな」と、先生。 やっとか。ちょっと安心した。このままずっと質問攻めなんて耐えきれないから、早く終わらせよう。 「彼氏といつ付き合ったんですか!?」 また、こう言う系の質問か。まぁまた適当に…。 「こっちに引っ越してくる前に告白されて付き合い始めました。」 「フューフュー!!」と、皆、歓声をあげている。 「じゃ、質問終了だ。花立の席は…窓側の一番後ろだ。で、隣がいつも授業中、寝てる宮本大(みやもとだい)だ。まぁいつも寝てるが、あまり気にするな。」と、先生。ざっと笑いがおこる。 「みやも~寝るなよ~!」「あぁ」 “みやも”とは、あだ名だろう。みやもと言うひともだるそうに、返事してるし。 席に着くと、一応隣の人に挨拶した…。
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