水面下

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ふぁ~。 噛み殺すこともせず、俺は盛大なあくびをした。 眠い。 めちゃめちゃ眠い。 「だからさ?俺はもっとイチャイチャしたいんだよ!わかる?リーダー?!」 最近俺は寝不足だ。 それというのも、クリスマスに口説き落とした恋人のせいで。 仕事の時でこそ丁寧な言葉遣いと穏和な笑顔を浮かべてはいるが、ふたを開けたらかなりな女王様気質。敬語はなくなり妖艶な笑みと共に俺に絡み付く身体はなんていうかもう…スゴくて。 勿論、それで気持ちが引いてしまうなどということはなく、寧ろ煽られてしまい晴れて恋人となった今はリア充爆発状態なのだが…。 「そりゃあ俺はゲームとか詳しくないし、テトリスもぷよぷよもポケット的なモンスターでさえやったことないよ?だけどさ!それに負ける程魅力ないの?!俺に?!」 …だからって連日深夜に呼び付けられては朝までコース。若さがなかったら倒れてると思う。 いや全然幸せなんだけども。 少なくとも隣のこいつよりは。 「ねぇっちゃんと聞いてる?!」 「まったく聞いてない。」 深夜のラーメン屋のカウンター。 酔っ払いの多いこの時間帯のおかげで、狭い店内でも、隣の奴が大声で騒いでも、更にはそいつが青髪の悪目立ちしかしない奴でも、こちらが注目されることはまず無い。 「リーダーは俺に愛はないのぉぉぉ?!」 「緊急事態だ!とか言って連絡してきたから駆け付けてみればそんなくだらないことで。それを笑って許せるのはオッカサンくらいなもんだ。」 「……オッカサンいないもん。だから俺にとってはリーダーが心のママ…」 「アハハハ気持ち悪い。」 俺の笑顔でデコピンを打つ振りを見て、さすがに雷哉も静かになった。
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