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『お前のそういう所、直した方がいいよ』 ……顔が見えない……誰? ここは何処なんだろう……。 私の目の前にいる人は私と同じくらいの年齢で男。 私達の周りには、濃い霧のように靄が立ち込めていて、場所が分からない。 目の前の男子の顔も見えない。 私達はすぐ近くに向かい合って立っているのに……。 「……那!柚那!」 突然その場にそぐわない大きくて、はっきりした声が耳に届く。と、同時に目の前の景色がどんどん薄れていく。 男子の姿も見えなくなっていく。 「あっ」 咄嗟に男子に向かって手を伸ばすが、その前に完全に姿が消えてしまう。 「柚那!柚那!」 「落ち着いてくださいっ。強く揺するのは危険です!」 「今、柚那が動いたんだよっ!起きるかもしんねぇだろ!!」 再び大きな声が届く。 私の体は誰かに強く揺すられていた。 ……うるさい。 痛いから手を離して。 言いたいことが声にならず、頭の中でぐるぐる回る。 いい加減ウザくなって、閉じていた目をゆっくり開けた。
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