愚者の楽園【1】

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. . あの時の記憶は、今でも鮮明に脳裏に焼き付いている . . . . あの日は確か . . うだるような暑さが続く、猛暑日だった . . . 車の窓に映る、光輝く太陽を、 . . 私は「暑いなぁ」なんて言って、睨んでた . . 隣では10歳下の弟、達也(タツヤ)が、 . 買ったばかりのヒーロー人形を、それは嬉しそうに持っていた . . . 4人乗りのその車の助手席には、 . 確か、お母さんが座ってて . 「楽しみね」なんて言って、運転席のお父さんと笑ってた . . . これは、 . . 私の記憶が . . . . 灰色に、なる直前の出来事だ . .
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