第1章 走り屋としての始まり

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そして、その夜。 紅羽「あ~あ。もう10時半か。さすがに帰るか。最後のこのダウンヒルがラストだな。」 紅羽「ん?スカラインか。急いでるからどいてもらっておこっと。」 堀田「ん…?後ろから一台来るな。ハザードにパッシングってことは横によけてくれってことか…?」 新堂「にしても珍しいよな…ここを走ってるのもかなり減ったよなー」 大沢「なー。俺らももう引退…かな。」 新堂「なぁ、それより後ろの車、車種なんだ?」 堀田「なんだろ、俺のR33スカラインについてくるなんてな…ひょっとするとS15シルビアあたりか?」 大沢「いや違う、なんだあれは…!!」 新堂「…AE92だ…89年式の前期型レビンだ。真っ白のAE92レビン…」 大沢「AE92レビン…何だっけそれ…」 堀田「まぁいいじゃないか。ともかく横よけるぞー」 R33スカライン…このあたりで乗ってる人いたっけ。 明日小池先輩に聞いてみよっと。 紅羽「良かった…横よけてくれた。とっとと家帰ろっと。」 紅羽(月夜)「ただいま~。」 もう夏か。やたらと暑い。 扇風機を出さないとちょっときついくらいになってきた。 翌日、俺はいつもと同じように走りに行った。 紅羽「お、荻野先輩じゃないですか!第二コーナーで何休んでるんですか?PAはもうすぐそこだってのに」 荻野「なんだ、紅羽か。小池が軽く流すってからな。ちょっと来てみたんだ。」 しばらくして、一台の車の音が頂上の方からした。 ゴキュアァァッァァ…というような音を立ててこの第二コーナーを流しっぱなしで抜けた。さすが元蒼い閃光。 荻野「なあ、紅羽。」 紅羽「どうかしましたか?」 荻野「いや、小池が走ってるの見たら俺も走りたくなった。走りに行ってくるよ。」 紅羽「そうですか、じゃあ自分もPAに…」 荻野「折角だ、バトルでもするか?」 紅羽「え…でも自分じゃ…」 荻野「大丈夫。南田のEG6に勝ったんだから。」 いきなり荻野先輩からのバトル申込み。 AE86 VS AE92 荻野先輩の86は一応後付ターボで結構パワーも出てる。 さて、どうすっかな。 どう戦うか。そしてその中身が重要だ。
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