第1章 走り屋としての始まり

2/11
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/204ページ
それは、ちょうど数年前の事だった。 日本を代表するかなり大きな企業5社が一気に日本全国の峠の国道を買い取り、最新の安全設備を施した。 これが、今でいう峠サーキットの始まりであった。 そして、峠サーキットができて数年もしないうちに各地の峠の走り屋をすべて倒したという伝説の男がいた。 そして、その伝説が終焉を迎える時と同時にそこにさらにもう3企業ほど加わり峠サーキットが増えたのであった。 今、そんな峠サーキットがまた熱くなる。 数年前まで俺はS13で箱根下り最速と言われていた。 夏目のFTOと一緒によく走りに行っていた。 俺のS13は蒼だったからよく蒼い閃光と言われていた。 夏目のFTOもかなり速く、ほぼ互角といったところであった。 そんな俺らはいつものように走りに行っていた。仲間もいっぱいできた 木道と鉄丘、荻野に本庄と湯沢。 そーしていつもみんなでつるんで走ってた。 あのころが、一番楽しかったと今でもいえる。だっていくら走っても走り足りなかった。 だって、そうやって走ってるのが一番楽しかったから。 そんな、昔のことをふと思い出していた時だった。 ドアチャイムが鳴った。 紅羽「先輩ー」 小池「紅羽か。どうした?」 紅羽「先輩のS13見せてくださーい」 小池「そんなことで俺の家に来るのかよ…まったく。」 俺のS13はもともと前期型。テンハチだったころに買った車だった。 その後、マイナーチェンジでS13は2000ccになった。 俺は2000ccになった後もずっとテンハチのまま走り続けた。 そして、S15シルビアが出たのをきっかけにS15シルビアに搭載されていたSR20DETに積み替えた。 さらに、そのSR20DETをツインターボにした。 紅羽「すっげ~。ツインターボってやっぱいいですよね。」 小池「確かにな。俺もテンハチのときから乗り換えた時、最初は手こずったけどなれたらむっちゃ速かったからな…。」 紅羽「ですよね~。あ、今日も俺箱根に行ってきます。」 小池「また?!走りこむのもほどほどにしておけよ…事故って死んだらどうにもならないんだから。」 紅羽「大丈夫ですよ。俺だってある程度箱根を走りこんでるんですから。」 小池「全く…。ともかく、気を付けとけよ~」
/204ページ

最初のコメントを投稿しよう!