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「あっ、いい匂い。もしかして今、朝御飯食べてたのかな?」
「そうだよ……」
美紗さんをリビングに通した俺は、椅子に座って中断していた朝食を再開した。
しかし箸を持ったのはいいが、美紗さんがじーっとこちらを見つめてきていて、全然食欲が湧かない。
「……あの、美紗さん?」
「何?」
「そんなに見られると、かなり食いづらいんですけど?」
「あ、ごめん。ちょっと優真の作った料理に興味があったから」
「……食べたいか?」
「いいの?」
俺が無言で頷くと、美紗さんは「やった」と嬉しそうに破顔した。
なんだか子供みたいだけど、実際は俺より年上なんだよなぁ……。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
彼女は俺に対面するように椅子に座ると、俺は野菜スープを差し出した。
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