2997人が本棚に入れています
本棚に追加
再び断ったら、間違いなくカッターナイフの刃が俺に突き刺さることになるだろう。
それぐらい、彼女から凶悪な雰囲気を感じ取ることが出来た。
「わ、分かったよ……!付き合えばいいんだろ……!?」
命が惜しい俺は、声を上擦らせながら彼女の気持ちを受け入れることにした。
非常に不本意だが、この場合は致し方ないというヤツだ。
すると、それまで鋭かった彼女の目が幾分か和らいだ。
「そう……良かった。私も、出来れば君を殺したくはなかったからね」
往来の真ん中で、平然と恐ろしいことを言う月野美紗。
一刻も早く警察に通報したいが、俺の命が危うくなるのでそれは出来ない。
まあ、この人が去ったらすぐに警察に連絡すればいいか……。
「ふふっ……♪」
そう思っていたのだが、彼女は嬉しそうに頬を緩めるのでその決心が鈍ってしまう。
やだ、俺のお人好し!
最初のコメントを投稿しよう!