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「じゃあ、早速だけど君の家にお邪魔してもいいかな?」
「なんだと……?」
俺の聞き間違いだと嬉しいが、こんな至近距離では間違えるはずもない。
俺の家に来る、だと……?
このストーカーが、俺の家に?
そ、それはなんだか危ない気がする!
「い、いや……それは……」
「いいよね、優真?」
再びカッターの刃が喉元へと突きつけられ、俺は慌ててコクコクと頷いた。
な、なんてこった……っ!
選択権と拒否権を一切与えようとはしない月野美紗が、なんだか怖くなった。
「もう、素直じゃないんだから。せっかく彼女が『家に行きたい』ってお願いしてるんだから」
いや、お前の場合は『お願い』ではなくて『脅迫』だろうが……。
そう思ったが、決して口には出さない。
こうして俺は半強制的に、自宅へストーカーこと月野美紗を連れて行くこととなってしまった。
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