Chapter.1  ストーカーされてます!?

10/22
前へ
/65ページ
次へ
「じゃあ、早速だけど君の家にお邪魔してもいいかな?」 「なんだと……?」 俺の聞き間違いだと嬉しいが、こんな至近距離では間違えるはずもない。 俺の家に来る、だと……? このストーカーが、俺の家に? そ、それはなんだか危ない気がする! 「い、いや……それは……」 「いいよね、優真?」 再びカッターの刃が喉元へと突きつけられ、俺は慌ててコクコクと頷いた。 な、なんてこった……っ! 選択権と拒否権を一切与えようとはしない月野美紗が、なんだか怖くなった。 「もう、素直じゃないんだから。せっかく彼女が『家に行きたい』ってお願いしてるんだから」 いや、お前の場合は『お願い』ではなくて『脅迫』だろうが……。 そう思ったが、決して口には出さない。 こうして俺は半強制的に、自宅へストーカーこと月野美紗を連れて行くこととなってしまった。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2997人が本棚に入れています
本棚に追加