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しかし何故急に俺の姉の話になるんだろう……と思っていると、ふと一つの可能性に至った。
俺は冷や汗を流し、おそるおそる訊ねた。
「も、もしかして美紗さんって姉貴の知り合いなのか……?」
「うん、そうだよ」
清々しい程に即答する美紗さん。
うげっ……やっぱりそうか!
「君のことは優子から聞いてね。ちょっと興味があったんで、無理言って写真を見せてもらったんだ。そしたら見事に一目惚れした。住所も彼女から聞いたんだよ」
姉貴を呼び捨てにしている辺り、よほど仲が良いのだろう。
それならば彼女が俺の情報を知っていても、なんら不思議ではない。
あの女ぁ、弟とはいえペラペラと人のことを話しやがって……!
「優真を見てるだけで良かったんだけど、今日君が私に気が付いてくれた。それが嬉しくて、是が非でも優真と恋人になりたいと思った次第なの」
「そ、そう……」
幸せそうに語る美紗さんだが、俺は思わず溜め息混じりで返した。
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