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「な、ななな、なにを言って……!」
「ん?別に不思議なことじゃないよ。好きな人の子供を産みたいのは当然だから」
いや、それはそうかもしれないが……本当に気が早すぎやしないだろうか?
それに、まずその前に結婚しなければならないと思う。
というか、俺は美紗さんと結婚するのか?
そんなことを考えていると、美紗さんの目が急に据わったことに気が付いた。
「結婚するよ、私たちは」
「えっ……?」
心を読まれたことにも驚いたが、それ以上に背筋が凍りそうなくらいの冷たい口調に恐怖した。
なんだか嫌な汗が額を流れる。
「だってそうでしょ?遊びで付き合ってる訳じゃない。真剣に結婚を前提に交際してるんだから……」
「まあ……その通りだとは思うが……」
「それとも、別れるつもりがある……?」
「い、いえ!滅相もない!」
チキチキとカッターの刃を出して向けられたら、首を精一杯横に振るしかないだろう。
ヘタレと言われても、こればっかりは仕方ない。
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