Chapter.1  ストーカーされてます!?

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「ん、よろしい」 美紗さんは俺の返事を聞いて満足したのか、カッターを懐に仕舞う。 何はともあれ、命は守り通した。 「ふぅ……」 安堵の溜め息を漏らしていると、突然携帯電話の着信が鳴り響いた。 ちょっと可愛らしい着信音だが、俺のではない。 「……私のだ」 美紗さんの携帯電話が鳴っているらしく、彼女はポケットから取り出して開いた。 「……すっかり忘れてた。今日、バイトの日だ」 「えっ?美紗さん、バイトしてるのか?」 「うん、これから恋人の時間なのに……」 「は、ははは……」 残念そうに呟く美紗さん。 何のバイトをしているのかはともかくとして、これで解放されるのは間違いない。 なんだか嬉し涙が出そうな感じだ。
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